まるしぶ流ハイスピードドライビング向上作戦



PART4

    “ 壁 ”   −タイムが伸び悩んだ時―


新しいタイヤも新調して挑んだタイムアタック。


なのに前回の古いタイヤの時とタイムほとんど変わらず・・・


タイム伸び悩み。

しかも今回は自分より速い人が多かった・・・

なんていう日はちょっとブルー。


“ どうしてもタイムを縮めたい! ”
“ もっと速く走れるようになりたいっ!! ”
“ 俺の車が遅いんだ、きっと! ”
“ 良いパーツを装着すれば解決だーっ!! ”

と、帰路カーショップへ寄り道して・・・そんな経験、誰でも一度や二度はあるのでは?

確かに、新たなパーツを投入して、パワーアップやサスチューンまたは剛性アップ等々を施すのが最も手っ取り早いのですが、もうすでに投入済みにもかかわらず、という場合もある事でしょう。


この TRY IT YUORSELF ”では、そんな時のドライバーデバイスのチューニングについて考えていきたいと思っています。

今回のお話は、ある程度いろんな経験を積んできているが、最近何をやっても伸び悩んでいる。

または心当たりがある。

そんな方向けかも知れません。


今回の内容はちょっとヘビーになるかも?知れません。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

まず、タイムが伸び悩んでいる原因を自分のせいにするのは、かなり勇気がいることだと思います。


なぜなら今の自分は、持っているテクニックの全てを使い切って、コース上で精一杯やれる事はやっているし、かなり気合を入れて頑張って走っているので、この上さらに何をどうすればもっと速く走れるかなんて、全くと言っていいほど見当がつかないからです。

そこでまずは、同じ車をもっと優秀なドライバーが操れば、確実に何秒かは速く走るであろう事を頭に置いてみて下さい。

ドラテクは無限に存在し、またドライバーにもF1ドライバーを始め、それぞれのジャンルでのスペシャリストを頂点と考えて、上には上がいることを想像してみましょう。

現時点では信じがたいことかもしれませんが、全く同じ条件で、あと何秒かは速く走らせられるヤツがいて、テクニックが存在するのです。

その1: その速さの決定的な違いは何なのでしょうか?

その2: そこに少しずつ近づくためには?

しかし、どんな人でも最初から、上には上がの“ 上 ”になったわけじゃなく、超天才を除いて誰もが皆、試行錯誤を経ていろんなテクを身に付けてきている事を忘れちゃいけません。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

その1:その速さの決定的な違いは何?編

決定的な違いとは、簡単に言えば1周あたりの平均スピードが違うわけで、当然といえば当然なのですが、頑張っているのにその平均スピードが違うとはどう言う事なのでしょう?

まず、もう一度、前回の自分の走りをできるだけリアルに思い出してみましょう。

ブレ―キングや進入スピード・立ち上がり重視なライン取りやアクセルワーク等ほとんどのことが結構いいセンいっていると思われます。

しかし、あら捜しをするように何度も思い出していくことによって、なんとなく漠然(バクゼン)とした個所や何かに躊躇(チュウチョ)ぎみな個所、意味もなく通り過ぎていく個所、またはどうしても恐怖心を感じる空白の個所がどこかに必ず見つかるはずです。

それらの個所は、タイムアップの可能性を秘めた個所だと思われます。


また、このコーナーは“ こんなもんだろう ”で済ましていた個所も同じくタイムアップできる可能性を秘めた個所です。

さっきの周でタイヤが少し滑り出したので、“ こんなもんで良いはず ”と考えていた個所です。


例えばそれらの個所というのは、ブレ―キングをリリースしつつ進入する一瞬だったり、切り返しを行っている一瞬だったり、加速に入ろうとする一瞬だったりします。


逆に考えると、理想的なラップを行っている場合は、ありとあらゆる全ての個所が自らのコントロールの下に置かれているのです。



理想的なコーナーリングが行われている時、例えば、鈴鹿デグナー1つめのコーナー進入時〜

(シミュレーション)
コーナー進入時、ステア操作をし、車の反応のタイミングに応じた進入の動きの度合いを感じ取り、同時にフロントタイヤはもう滑り出しているが、適切と思われる舵角を与え、ロスの少ない操作で一気に思っているコーナーリングモードに入れている。
フロントのターンインに反応したリアの姿勢変化によるタイヤのスリップを予測し、早めのアクセル操作を行う準備と修正舵の準備をしておく。
ターンインの姿勢変化が適切に行われると同時にアクセルはほぼ全開に近い状態だが、急激過ぎるオーバーステアを誘わないか、リアタイヤの状態に気をつけながら、このスピードと角度で出口でのコース幅は足りるのかにも注意する。
全体的にコース幅を最大限に使えているのか、ロスなくハイスピードを保てているか、タイヤの性能やトラクションを最大限有効に使えているだろうか、サスセッティングに変更の必要はないか、脱出のスピードに問題はないか等も考えながら行った。
(長くてスイマセン)



・・・というひとつの例なのですが、更に様々な事を細かく感じ取り、修正を加え、これをコース上の全ての個所で、ありとあらゆる事を几帳面にコントロールの下に置いていくことが、結果的に平均スピードを速くし、ベストラップの向上につながっていくのだと思われます。


言葉を羅列すると難しく思えるかもしれませんが、そこには、はっきりと意識して行っている内容と、あまり意識しなくても行える内容が混在しています。



ここに“壁”を越えるヒントがあると考えられます。




速さの違い。

それを一言で言うなら、コース上でどれだけたくさんの事を理解し、コントロールの下へ置くことが出来ているか。


“ 知り、行えるか ”という事だと思います。










・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

オツカレ様です。
今回はちょっと難解かも?

次回続編、
その2: そこに少しずつ近づくためには?編です。



おっ楽しみに!!






ご意見、ご感想などありましたらお聞かせ下さい。