前回に引き続きライン取りについてのお話です。
複合コーナーになると、更にいろんな条件が加わり、曖昧なまま漠然と走行を繰り返したり、毎回2つ目や3つ目のコーナーが行き当たりばったり的でまとまらなかったりと、なんとなくスッキリしないコーナーリングになりがちです。
例えば、TI裏ストレートエンドヘアピン〜左コーナーや、仙台ハイランド1・2・3コーナー、鈴鹿南1・2コーナーを想像してみて下さい。
上手くクリアするコツは、やはり、
1: 最後のコーナー脱出を最優先する
2: 全体的にあまり遠回りしないで済むラインを心がける
・・・と良いと思います。
また、複合コーナーの特徴としては、それぞれのコーナーのレイアウトも様々である事や、単発のコーナーより更に顕著に各ドライバーのオリジナリティが出る傾向が強い事から、特にこれが正しいと言い切れるラインは存在しないと言っても過言ではないでしょう。
やはり、各ドライバーが、どういう考えでそのラインを選び、微調整をしながら決定し、タイムアップに結び付けていくか?ということが大切なポイントだと思います。
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しかしながら実は、複合コーナーを困難にさせているのはそれだけではなく、もっと違うところに原因があると考えられます。
上記の事は充分理解しているにもかかわらず、やはりコースに出るとイマイチ上手く行かなくさせているのは、何が原因なんでしょうか?
タイムアタック中の人や勢いがある人ほど、1つ目のコーナー脱出ポイントが外側へずれ、2つ目3つ目が苦しくなりがちです。
複合コーナーの1つ目の立ち上がりポイントはなぜズレるか?
勢いがあるとどうしてもアウト側へはらんでしまうのはナゼなのか?
それは1つ目のコーナー出口のアウト側に、まだコース幅がたっぷり残っているからなのです!(・・・?)
どういう事かと言うと、2つ目のために1つ目を小回りするには、加速のためのアクセルONのタイミングを少し待つ必要があります。
しかしコース幅は広いので、その “待つ” 行為をとってしまうと、自分のスピードが遅いんじゃないのかと言う気持ちにさせられるのです。
もうお分かりでしょうか?
頭では分かっちゃいるけどタイムアタックに入ると “待つ” という行為が困難になり、1つ目から攻めすぎてしまい次のコーナー進入で
“しまった” となる訳です。
対策としては、ここでもパート1での “アグレッシブな動きの中にもクールな思考”
がとっても重要だと思われます。
違う表現で “急がば冷やせ・・・” というのはどうでしょう?
やはりこれも自分との戦いで、自分のヤル気を意図的に調整する “ヤル気コントロール” で、はやる気持ちを抑え、冷静に “待つ” 行為が結果的に目的へ到達できるという事を、コース上のコーナーリング中に十分理解しながらトライする事で上手く解決できるはずです。
しかし、 “待ち” すぎてしまう場合は、もっとアグレッシブ方向に修正したいところです。
各コーナーでどの程度待つか、どのコーナーをどれ位優先するかという加減のバランスを試す時など、何か新しい走りを試す時に、自分が行っている事が正しいのか間違っているのかをチェックする方法としては、車が比較的安定しているにもかかわらず、周回を重ねる毎にラップタイムが短縮する傾向にあるかどうかで判断してみて下さい。
加減のバランスを別の表現で “損得勘定” と言えばより分かりやすいかも知れません。
損得勘定を上手く考えながら、ベストと思えるラインを探し出すのです。
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また、その他のヒントとしては、注意力の配分コントロールとコーナーリングの逆算を活用するとOKでしょう。
注意力の配分コントロールとは、PART1参照・一つの事だけにとらわれないよう、自分の注意力を他の様々な事に配分する事です。
1つ目のコーナーのステア操作ポイントやスピードコントロールに注意しながらも、2つ目の進入ポイントがどこにあるのか、注意しておくという感じです。
コーナーリングの逆算とは、PART2参照・初めてのコースでライン取りを決めていく手法と同じで、最後のコーナー脱出から逆算的に一つ目の進入までを決めていく事で、1つ目のコーナーへ進入していく時に、逆算した全体像がイメージ出来るようになると、 “待つ” 事の重要性が理解でき、自信を持ってトライ出来るようになるのではないかと思います。
ただし、逆算をしながら自分の走りを決定していくためには、前の周でどんなアンバイだったかを憶えておいて、次の周のトライに生かしていく必要があります。
タイムが向上しつつ、自分の中で安定した一定のリズムを刻みながらクリアできるようになれば、コースサイドから見てもかなり良い走りが出来ているはずです。
今回はこの辺で・・・
次回のまるしぶ流は?
“ 壁 ”
―タイムが伸び悩んだ時―
―どうしてもタイムを短縮したい方へ―
誰にでも訪れるこのツマンナイ瞬間。
そんなときのヒントを “まるしぶ流” に解説してみようと思っています。
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